【飲食店成功事例】10坪で月商800万円!「立呑み焼きとん 大黒」に学ぶKPI徹底管理術
皆さんこんにちは!飲食店コンサルティング会社スリーウェルマネジメント代表の三ツ井です。
前回のブログでは、【人材定着】効果的な賞与制度とは?飲食店経営者が知っておくべき賞与設計のポイントについてお話をさせて頂きました。
前回のブログはこちらからご覧ください。
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K P Iの徹底で月商8 0 0万円、 営業利益2 0 0万円を達成した 「立呑み焼きとん 大黒」
これまでのブログでは、評価制度の作り方についてご紹介して参りました。
今回は、KPIについてお話ししていきます。
これまで、KPIとは、売上を上げるために必要な行動【重要業績評価指標】で、それを定めて評価項目と連動させることで売上アップを実現さていこうという考え方をご説明して参りました。KPIは定性評価に関連しますが、ここでは上手にKPI運 用を行なっている飲食企業の成功事例をご紹介します。
今回ご紹介するのは、愛知県を中心に、全国に約 58店舗を展開する光フードサービス株式会社です。光フードサービスでは「立呑み焼きとん 大黒」という 10坪の居酒屋をメイン業態として全国展開しています。たった10坪のお店にもかかわらず月商800万円以上を売り上げ、営業利益で200万円以上を叩き出すような超繁盛店です。この「大黒」の繁盛を支える重要な要素のひとつに、徹底した「KPI管理」がありま す。

三ツ井「飲食店経営者の方とお話をしていると、KPI設定がうまくできないというご相談をいただくことが多いのですが、『大黒』ではどういった視点でKPIを設定していますか?」
大谷社長「私たちがKPIの設定で気をつけているのは、最初から机上でKPIを設定しないということです。机上でのKPIはなかなか定着しないし、効果も出にくいです。
そこで私たちは〝感じの良い接客〟を因数分解したうえで、その一つひとつをKPIとして設定することに重点を置いています。例えば『にこやかにお客様にド リンクのお代わりをおすすめする』『外を歩いているお客様に対して、〝お兄さん、1杯飲んでいきませんか?〟と元気よくお声がけをするといった、お客様に接客の良さが伝わる具体的な行動をKPIとして設定していきます」
三ツ井「なるほど。1つ伺たいのは、これは他の飲食店経営者の方からもよく質問をされるのですが、『大黒』がやっているようなKPIは自己申告的な要素が大きいと思いますが、ちょっと嘘をついたり、いわゆる不正のような行為は発生しないのでしょうか?」
大谷社長「『大黒』では、日々のKPIをスタッフ全員が見ることができる社内SNSシス テムを独自開発しています。このシステムを見ると、誰がいつどんなKPI項目を、 どれくらい獲得しているか一目瞭然ですので、嘘をついたりしていると仲間のスタッフにはすぐにわかってしまうのです」
三ツ井「確かに、それだと不正はしづらいですね。さらに伺いたいのは、このKPIは、各スタッフはどのように設定しているのですか?」
大谷社長「当社では、KPI項目に関しては本社側で設定をしていますが、KPIの達成目標に関しては、全スタッフに自らKPIの予算を設定してもらっています。最初から高いKPI目標を設定するスタッフもいれば、棒高跳びのように少しずつKPIの目標を高くしていくスタッフもいます。ここはある程度本人の裁量に任せ ている部分もあります。このように、自らがKPI目標を設定することで、KPI評価に対す納得性の向上と不公平感の排除が実現しています」

三ツ井「一度設定したKPI項目に関しては、どれくらいの頻度で見直しをされていますか?」
大谷社長「当社は評価制度におけるKPI項目は、年収に直結するといっても過言ではないくらいウエイトが高いので、年度予算を本部で作成する際に、人件費予算編成、 KPI設定というフローで策定しています。その後は、基本的に半年に1回くらいの頻度でKPI項目の見直しを行なっています。ただ設定したKPIがうまく機能していないと感じたときは、半年を待たずして変更することもあります」
三ツ井「今までさまざまなKPIを設定してこられたと思いますが、大谷社長がKPIを 設定するうえで、特に大切にしている項目は何ですか?」
大谷社長「まずは『ドリンクのお代わりをしっかりと聞きに行く』『〝 2 杯以上飲まれるようでしたら、プラス2 0 0円でメガジョッキにしていただいたほうがお得ですよ〟 とお声がけをする』といったように、お客様との会話のきっかけになる顧客接点項 目を積極的にKPIに設定しています。 当店はおひとりで来店されるお客様が多いのですが、このようなKPIで話しかけた際に、横にいらっしゃる別のお客様も会話に巻き込んでいきます。こうした1名のお客様と別の1名のお客様、スタッフ間で会話が成立することを〝トライアングル〟と呼んでおり、このトライアングルもKPI項目として設定しています。こうした顧客接点のKPIが徹底されると、お客様から『このお店、感じがいい』と思っていただける場面が増え、結果的にお客様のリピート率が高まっていきます」
このように、「大黒」では日々、店舗と個人で評価制度と連動したKPIを追いかけることで、スタッフのモチベーションアップと、お客様満足度向上によるリピート率向上を実 現しています。 さらに、日頃から社内にKPIを追いかける習慣を構築しておくことにより、会社側の優先度合に応じてKPIを変更した際にも、スタッフ全員が同じ方向に向いて営業を行なう組織風土が構築できています。こうした日々の積み重ねが 10坪、月商800万円、営業利益200万円という繁盛を実現しているのです。

お店のコンセプトもKPI化する
また、KPIはお店のコンセプトとも密接に関係しています。今回ご紹介した大黒のように、お客様との密接なコミュニケーションをコンセプトにしているお店でしたら、顧客 接点を軸としたKPI設定になります。例えば、ワインにこだわっているお店でしたら、 ボトルワインのオーダー率をKPIに設定しているお店もあります。 このように、まずは自分たちのお店のコンセプトや差別化要素をしっかりと定めたうえで、それを実現するためのKPIを設定するという視点も大切になります。皆さんのお店 でも、ぜひ自社のコンセプトを体現するKPIを設定してみてください。
なお、今回のブログは下記YouTubeでも解説しておりますので、ぜひご覧ください!
本ブログが少しでも飲食店経営者の皆様のご参考になれば幸いです。
最後までお読み頂きありがとうございました。
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