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買収/M&A先飲食店の収益改善コンサルティング

買収/M&A先飲食店の収益改善コンサルティング

買収/M&A先飲食店の収益改善コンサルティング

皆さんこんにちは飲食店コンサルティング会社スリーウェルマネジメント代表コンサルタントの三ツ井です。今年に入ってから買収先の飲食企業に対する収益改善のご相談が増えてきています。

長引くコロナ禍で会社売却という意思決定をされる飲食企業が増えており、そうなると当然ながら飲食企業を「買う側」の企業も増える事になります。

同じ飲食企業同士のM&Aであれば、ある程度事前に事業リスクが想定できますが、異業種が飲食企業のM&Aを行う場合には注意が必要です。

一般的にM&Aにおいては、買収先企業に対して事前にデューデリジェンス(Due Diligence=投資対象となる企業の価値やリスクなどを買収前に調査する事)を行いますが、飲食企業の買収においては一般的なデューデリでは見えない問題が買収後に噴出する事が少なくありません。

例えば在庫の問題。飲食店の原価は前月在庫+当月仕入−当月在庫で算出されます。つまり当月(期末)在庫が増えれば、決算書上では一時的に粗利が増加します(在庫が翌期に繰り越される)。
単月毎の在庫回転日数や財務分析を行っていけば数値上の異常値を発見する事もできますが、財務分析ではその在庫の中身、状態までは分かりません。
 

買収先飲食企業の在庫に潜むリスク | 飲食店コンサルティングのスリーウェルマネジメント

買収先飲食企業の在庫に潜むリスク | 飲食店コンサルティングのスリーウェルマネジメント

実際に我々が買収先の収益改善支援で現場調査を行なった店舗では、お店のバックヤードの冷凍ストッカーに大量の冷凍焼けした”きびなご”が保管されていたというケースもありました。しかも冷凍ストッカーの上側には比較的新しいきびなごが入っており、一見すると使える食材に見えますが、そのストッカーの下の方を探っていくと冷凍焼けしたきびなごが大量に見つかりました。

店舗在庫ならまだしも、セントラルキッチンを保有している企業の不良在庫金額は多額になるので、さらに注意が必要です。実際に焼肉企業のセントラルキッチンに数百万円の不良在庫が保管されていたというケースもありました。

不良在庫は財務上の問題である事は当然ですが、こうしたずさんな発注、管理体制を許している組織風土の方がはるかに問題です。

その他にも従業員の未払い残業代や、金銭管理体制、修繕コストのかかる空調の状態などなど、「隠れたリスク」をあげればキリがありません。

いきなり細かい話しになってしまいましたが、当社で買収先の収益改善や事業再生を依頼された場合、具体的には下記のステップで事業再生を進めていきます。
 

■買収先飲食企業の事業再生に向けたステップ | 飲食店コンサルティングのスリーウェルマネジメント

■買収先飲食企業の事業再生に向けたステップ  | 飲食店コンサルティングのスリーウェルマネジメント

①外部環境分析
市場全体におけるその業態自体のポジションや将来成長性等を調査分析していきます。とくにコロナ禍は業態によって「コロナ回復度」が異なりますので、業態別の時流特性を捉えた市場分析が重要です。ちなみに、下記は居酒屋、焼肉、すし店、ラーメン業態の2018年度から2022年度(推計)までの市場規模を調査したデータとなります。こちらを見て頂くと業態別の「コロナ回復度」が異なる事がお分かりになるかと思います。

※MSはマーケットサイズの略で「国民1名当り消費支出金額」の事です、マーケットサイズに関してはこちらのブログでも詳しくお話しています。

買収/M&A先飲食店の収益改善コンサルティング

コロナ回復度(コロナ前対比)を見えていくと居酒屋59.2%、焼肉99.7%、すし店93%、ラーメン89.5%と業態によってかなりの差がある事が分かります。

この数値を見ると「居酒屋」業態が厳しい事が分かります。しかしながら居酒屋業態は元々1.6兆円もの市場規模があり、コロナ回復度59.2%といえど、2022年でも9,500億円と大きな市場規模を誇っています。これがいわゆる「居酒屋業界の強さ」でもあります。逆に焼肉業態はコロナ回復度が高い分、居酒屋企業などからの新規参入も多く、競争環境は厳しくなっているという実情もあります。


②内部環境分析
P/L(損益計算書)、B/S(貸借対照表)をはじめ、先程お話しした在庫分析やスタッフへのヒアリングを通じた組織上の問題、労務問題等を調査分析していきます。匿名の従業員満足度調査(ES調査)も企業の特性を知る上では非常に有効です。

③モデル店、競合店調査
①②で業界(業態)特性や組織力を把握した上で、近隣の競合店や全国のモデル店に対して当社のコンサルタントが潜入調査を行います。なお、当社では競合店やモデル店調査の際には「差別化の8要素」という指標をベースに調査店舗の定量/定性評価を行っていきます。「差別化の8要素」については、こちらのブログにも詳しく書かせて頂いております。

④事業再生プラン策定
①〜③を踏まえた上で、事業再生プランを策定します。事業再生プランは財務目標のみならず、経営(事業)理念や、ビジョン、人材育成、評価制度再構築、マーケティング戦略等、多面的なプラン策定をしていく事で「組織文化再構築」を実現する取組みが重要になります。


⑤事業再生プラン実行支援
④で策定した再生プランの実行にむけて、当社で実行支援をさせて頂く事もあります。現場の皆さんはM&Aという状況の中で不安を抱えておられるケースが多いので、我々コンサルタントは策定した再生プランを念頭に置きながらも現場の皆さんの良き理解者、サポーターとして一緒に業務改善を行っていく姿勢が必須となります。

事業再生は大変なお仕事ではありますが、我々コンサルタントにとってはとてもやりがいのある仕事でもあります。

今日はこれからご支援先の社員旅行のオーガナイザーで熱海まで行ってきます!!

こちらもまたご報告させて頂きます。


本日も最後までお読み頂きありがとうございました。
本ブログが少しでも飲食店経営者の皆様のご参考になれば幸いです。
 

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