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大手ロードサイド型焼肉店の出店立地戦略とメニュー戦略の違いとは❘分析レポート

大手ロードサイド型焼肉店の出店立地戦略とメニュー戦略の違いとは❘分析レポート

飲食店コンサルティング会社スリーウェルマネジメントの三ツ井創太郎でございます。
最近ではコロナ禍における今後の成長戦略としてロードサイド型焼肉店の出店を検討されている経営者様からの声が多くあります。今回はロードサイド型焼肉店の参考として大手焼肉店2社の出店立地とメニュー構成の観点から分析させて頂きました。記事内では企業名を伏せさせて頂きますが、少しでも皆様の参考になりましたら幸いでございます。

 

ロードサイド型焼肉店の商圏人口における出店立地戦略

ロードサイド型焼肉店の商圏人口における出店立地戦略

上記データは各焼肉店の関東圏内全店の出店立地から求めたデータでございます。ロードサイド型焼肉店では一般的に車で約10分圏内をメインの商圏として考えていきます。

各商圏人口の最低値及び、最高値を見ていくとA社に比べ、B社は最低値が低くなおかつ、最高値も高い事が分かります。5分圏内、7分圏内、10分圏内のどれも同じ結果となっています。つまりB社の方が幅広い商圏人口ボリュームの立地に出店している事となります。

幅広い商圏人口ボリュームの立地に出店している理由の一つとして、B社では居抜きをメインとした店舗出店が多い事が一つの要因に挙げられます。また、B社の出店可否判断として商圏人口ボリュームの幅が広い事も挙げられます。
 

ロードサイド型焼肉店の商圏人口ボリュームに対する駐車場台数

ロードサイド型焼肉店の商圏人口ボリュームに対する駐車場台数

上記データは駐車場1台当たりに対する商圏人口ボリュームでございます。B社に比べ、A社の方が商圏人口ボリュームに対して駐車場台数が多い事が分かります。

ロードサイドの飲食店では駐車場台数が売上を決める重要な要素となります。ファミリーでの利用の場合は1台で1卓が埋まりますが、友人同士の利用や法人での利用の場合1名に対して1台の駐車場台数が必要となります。

一般的にロードサイド型の焼肉店では1組平均来店人数は約2.8名ですので、仮に友人同士での焼肉店を利用する場合、駐車場台数は3台必要となります。この事からB社に比べ、A社の方がファミリー層以外のニーズにも対応している事が分かります。

また、B社の方が平均的に商圏人口ボリュームの多い立地に出店しているにも関わらず、駐車場台数が少ない事が分かります。ロードサイド型の焼肉店を出店する場合は商圏人口と店内席数を加味した上で、どの程度の駐車場台数を設置するのかを検討する必要がございます。

ロードサイド型焼肉店の食べ放題メニューカテゴリーと食べ放題価格の違い

ロードサイド型焼肉店の食べ放題メニューカテゴリーと食べ放題価格の違い

上記、各焼肉店の食べ放題価格とメニューカテゴリーの比較データでございます。

A社では全3コースで2,680円、2,980円、3,980円の食べ放題コースとなっています。
B社では全4コースで2,480円、2,980円、3,980円、5,980円の食べ放題コースとなっています。

食べ放題の最下限価格を比較するとA社に比べ、B社が2,480円で最下限価格となっております。A社に比べB社の最下限コースでは「豚焼肉」が全体の14%を占め、よりファミリー層向けの価格帯とカテゴリー構成となっております。

コロナ禍において各社とも客数が前年に比べ減少している中、客単価アップが売上アップを実現する重要となります。客単価アップを実現する為には高価格帯の食べ放題コースの注文率を上げる事が求められます。
 

ロードサイド型焼肉店の高価格帯食べ放題メニューカテゴリー構成

ロードサイド型焼肉店の高価格帯食べ放題メニューカテゴリー構成

上記データは高価格帯の食べ放題コースのメニューカテゴリーです。より分かりやすく大手焼肉チェーン店C社の高価格帯の食べ放題コースを追加しました。

上記3社を比較すると高価格帯の食べ放題コースにおける重要なカテゴリーとして「カルビ」の商品数が挙げられます。

B社では3,980円コースのカルビが8品(6%)と5,980円コースのカルビが9品(7%)に対して、A社では3,980円コースのカルビが14品(11%)、C社では4,380円コースのカルビが18品(14%)となっており、カルビ商品数で大きな差があります。

ロードサイド型焼肉店ではカルビの出数が多い中、カルビの商品点数の豊富さはお客様の高単価コースに対する魅力の一つとなる。その証拠に下記グラフでは各社の価格帯別商品点数の推移を用意しました。
 

大手郊外型焼肉店の価格帯別商品点数の推移

大手郊外型焼肉店の価格帯別商品点数の推移

上記データは各焼肉店の価格帯別商品点数の推移です。B社に比べA社やC社は価格が上がるにつれカルビ商品点数が大きく増加している事が分かる。つまり、ロードサイド型焼肉食べ放題の各コースはカルビ商品点数が各コースの魅力に繋がる。

コロナ禍においてロードサイド型焼肉店の出店を検討する際は高価格帯コースへの誘導が売上アップの重要な要素となり、高価格帯コースではカルビの商品点数が一つの目安となる事を考慮していきたい。
 

まとめ

コロナ禍において客数が戻らない中、ロードサイド型焼肉店における客単価アップのポイントをお伝えさせて頂きました。焼肉業態以外でも競合店やモデル店の商品カテゴリーや商品価格を分析する事で売上アップのヒントが見えてくるかと思います。ぜひ、試して頂ければと思います。

大手ロードサイド型焼肉店の出店立地戦略とメニュー戦略の違いとは❘分析レポート

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